看護師兼ライターしらいしゆみかのブログ

フリーランスで働く看護師兼ライター。いろんなところで働いた経験から、看護師の働き方や悩み、生き方について本音で語るブログ。たまに雑記も。

スポンサーリンク

「個別性」に合わせた看護計画?看護師ライターがまとめるコツを紹介!

 

こんにちは!看護師兼ライターの白石弓夏(しらいしゆみか@yumika_shi)です!

実は私、2年前にとある看護学校の実習教員のバイト(基礎Ⅱ)をちょっとだけやっていました。

そのとき、レポートも少しチェックしていたのですが、いろいろとびっくりする内容のレポートが。

3行で終了とか……な。

(私も人のこと言えるほど文章がうまいわけではないのですが笑)

 

なかでも、看護学生や新人にとっては

「個別性に合わせた看護計画ができていない!」 

 などと耳タコレベルで言われた記憶もまだ新しいのではないでしょうか?

 

私も耳が痛い…(笑)

看護師として働き始めると、あれだけ「個別性を…」と学生に指導していたにも関わらず、看護計画や診断はツールから引っ張ってきて、ちょっと内容手直しするだけ。

忙しいのはわかるけど、

人のこと全然言えないじゃん!!

ってことは、先輩看護師みんなあるあるです(笑)

 

それでも、学生には参考書の丸写しや当てはめるだけではなく、個別性に合わせた看護の考え方について練習をしてもらいたいです。

 

今、私がライターとして記事を書いているときに注意するポイントでも、実は個別性に合わせたテーマ選びなどが大事なので、気持ちがすごくわかる…!

なかなか苦手意識の強い部分ですが、考え方は難しくないので、一緒に確認していきましょう!

 

スポンサーリンク
 

 

 

看護における個別性の簡単な考え方

f:id:yumikaorururu:20180115183708j:plain

看護学生がレポート提出で指摘される「個別性」とは…なにか。

十人十色なんて言葉もありますが、同じ疾患の患者であってもさまざまな症状や背景があります。

 

たとえば、最近流行りのインフルエンザ。

私はこの前インフルエンザかも?と思ったことがありましたが、典型的な関節痛や倦怠感、体温38度超えの症状でした。

しかし、ほかにもインフルエンザに罹った友達は、微熱程度で咳と鼻水が続き、胃腸炎症状のような吐き気や下痢もあったといいます。

これが、姪っ子になると、熱は39度ちかくあるけど、食欲はあってけっこう元気だったりします。

 

同じインフルエンザといっても、年齢や持病の有無などさまざまな背景によって症状が違うことがわかります。

 

このことから、学生がよくレポートであげてくる

「○○疾患患者の○○ケアをする」

っていう看護目標。

これはいろいろと突っ込みどころ満載なのです…。

(主語は患者さん、看護師ではありませんよ)

 

まずは、「○○疾患患者って病棟の大半がそうだよ!」って怒られるパターンが多いです(笑)

私は

「看護計画と目標を見ただけで、あ~○号室の○○さんのことだ!ってわかるようにしてほしい!」

なんて言っていたときもありました。

(そんな無茶な…笑)

 

さて、結局はなにが必要なのか。

簡単に言えば…!

患者さんの「特徴」を入れてあげるということです!

 

個別性、患者さんの特徴を入れる文章とは

f:id:yumikaorururu:20180130144854j:plain

ライターをしていても、読みたいと思わせる記事を作るためにはタイトルや冒頭を個別性に合わせています。

(私もまだまだ勉強中ですが笑)

 

たとえば、「ダイエットに効果的な運動を紹介!」みたいなタイトル。

たくさんの人に読んでもらいたいからと、大きなタイトルにすると…記事の意図がぼやけます。

ダイエットしたいという人は、少し目につくかもしれませんが、「効果的な運動」ってなんだよって思いません?

こんなタイトル、どこにでもあるように見えますよね。

 

それよりも、ほかのダイエット記事とは違う部分に目をつけてみる方法もあります。

「さまざまなダイエットを試したけど挫折してしまった人!一日3分でできるながら運動を紹介!」

これが正解のタイトルかはあやしいところですが(笑)

 

  • さまざまなダイエットを試した人
  • 挫折してしまった人
  • 1日3分でできる
  • ながら運動

これだけほかの記事と違う部分をピックアップしただけでも、当てはまる人にはピンポイントで「私のことだ~!」って思いますよね(笑)

 

そんな私は、看護計画も似たようなことがいえるな~ってことに最近気づきました!

(遅すぎる笑)

 

記事の場合には、「読者のターゲットを絞る」なんて言い方をしますが、実習の場合には患者さんは決まっていますよね。

その患者さんの中で特徴を絞るという作業が、看護過程でもあります。

 

ここまでくると、なんとなく「個別性」「患者さんの特徴」についてみえてきたでしょうか…?

 

個別性、患者さんの特徴を出すポイントとは

f:id:yumikaorururu:20171227235520j:plain

じゃあ、具体的にどうすればいいのか?

看護記録の種類はさまざまなので、書き方が少し違うところもあるかもしれません…そうしたらごめんなさい。

 

まず、プロフィール用紙やヘンダーソン、ゴードン、ロイの観察項目など情報をまとめるようなアセスメントシートが何枚かあると思います。

それから問題点を導き出して、看護計画、目標に落とし込むのが基本的な流れでしょうか。

そのときにどうやって患者さんの特徴を出すのか。

 

一番簡単なのは、まず「患者さんの症状、治療の状態」をみてポイントにすることです。

 

看護目標ではまず症状、治療の状態をポイントにする

f:id:yumikaorururu:20180130144905j:plain

たとえば、大腿骨骨折の患者さんの疼痛ケアについての目標。

(整形外科出身なものですみませんね笑)

 

症状であれば、まずは疼痛。

熱感・腫脹があるのはどの患者さんでもありそうですが、それにしびれや内出血などがあれば、少し患者さんの特徴が出てくるかもしれません。

さらに、治療の状態として、受傷直後や術後1週間、リハビリは開始されているのか…

保存的治療やプレート術、人工骨頭置換なのかでも状態はかなり違います。

 

これらの情報を看護目標に入れ込むと、

「術後○週間までに人工骨頭置換術後の患者さんが、リハビリに支障が出ないように自身で疼痛コントロールができる」

となります。

(これも完璧!かは怪しい笑)

 

文章に書くときは主語、述語、修飾語に分けて考えてみる

f:id:yumikaorururu:20180130144912j:plain

先ほどの目標は、文節ごとに考えてみると、まとめやすいかもしれません。

  • 主語→「患者さんが」
  • 述語→「疼痛コントロールができる」
  • 修飾語→「術後○週間までに」「人工骨頭置換術後の」「リハビリに支障が出ないように」

主語、述語はすぐに思い浮かぶと思います。

しかし、こうしてみると、修飾語が患者さんの特徴を捉えていることがわかりますね。

 

修飾語ってなんだっけ?と思う人。

私も国語の先生ではないのですが(笑)

修飾語は,主語や述語,ほかの修飾語などを詳しく説明する文節です。
「何(だれ)を・いつ・どこで・どのように―どうする」「どのくらい―どんなだ」や,「どんな・何の―何が」のような関係を表します。

引用:http://benesse.jp/teikitest/chu/japanese/japanese/c00482.html

 

さらに、個別性を出すには、症状や治療の状態だけでなく、既往歴や家族背景、生活習慣、性格、精神状態などを盛り込む方法があります。

 

先ほどの目標は、一人暮らしで自立の患者さんの場合には問題なさそうですが…

元々車いすレベルで施設入所、認知症などがある患者さんの場合には自身で疼痛コントロールは難しいかもしれませんよね。

そうなると、

「リハビリに支障が出ないように自身で痛みを表出することができる

と一部変更にするか…

重度の認知症の場合には、疼痛ケアよりも安全安楽など別の看護問題が出てくる可能性もあります。

 

看護計画は自分が実際にやる行動レベルで書く

f:id:yumikaorururu:20180302231758p:plain

実際の看護計画内で、患者さんが目標の状態になるまでに、なにが必要なのかということ…

大腿骨骨折患者や人工骨頭術後の看護が載っている参考書などを元に、患者さんにはどれが当てはまるかアセスメントします。

個別性が特に重要なのは、「T-P(ケア)」「E-P(指導)」の部分でしょうか。

 

たとえば、人工骨頭術後の看護では禁忌肢位というものがあります。

足をある方向にむけてしまうと、骨頭部が脱臼してしまうというものです。

なので、人工骨頭術後ケアや指導では絶対不可欠な内容ですが、「T-P 禁忌肢位に注意する」だけでは不十分です。

 

ここでも同じように症状や治療の状態から~既往歴や家族背景について考えてみます。

人工骨頭置換術の場合には、股関節部が安定するまで外転枕を入れて足を広げておく状態を保ちます。(3週間程度)

禁忌肢位に注意ということは、実際に何をするのか…

もっと実際に自分がやる行動を書いたほうがいいということです。

 

患者さんがベッド上でまだ自力体交できない場合には、

  • 看護師と2人で患側の足と外転枕がずれないように固定する→脱臼予防
  • 体幹が上半身下半身とずれてしまわないように注意して向きを変える→脱臼予防と創部がつれないために
  • 患者さんに片方の腕でベッド柵を持ってもらうよう声かけ→機能低下予防、患者さんができることはやる

などがあります。

(このあたりは箇条書きでいいのかな?たしか笑)

 

頭の中でなぜ、このケアを行うのかそれぞれに理由が考えられている」となお良し。

→の部分、質問されても答えられるようになっていると、指導者としては涙が出そうなくらい嬉しいです(笑)

 

もし、既往歴で麻痺があったり、軽介助で車いすに移乗できるレベルにある場合には、またできるケアや指導が違ってきますよね。

 

個別性を考えるためには患者さんの特徴を知ることから

f:id:yumikaorururu:20180130144859j:plain

ちょっと説明が難しい内容の部分もあったかもしれませんが…

患者さんの特徴が見えてくると、ケアとして実践しやすい、日々の記録、行動目標も書きやすく、評価がしやすくなるというメリットがあります。

 

実習などで「個別性」に悩まされていても、

  • この患者さんの特徴ってなんだろう?
  • ほかの患者さんと違うところはなんだろう?

と、考えてみることからまずは始めてみましょう!

 

学生さんがよくやる参考書とにらめっこ。

そこには、受け持ち患者さんの特徴は載っていませんよー!

 

参考書は参考程度にして、患者さんのことをしっかり考えられる看護師になってほしいなと思います。

 

↓実習でも現場にでてもわかりやすいアセスメントの本!