看護学生の「日々の学び」をスムーズに書く方法!
こんにちは!看護師兼ライターの白石弓夏(しらいしゆみか@yumika_shi)です!
以前、看護学生の悩みで多い「個別性に合わせた看護計画を書くコツ」についてまとめました。
しかし、看護計画と同じくらい、学生の間で悩みの種となっているのが…
行動目標を含む、日々の学び!
最初の数日はいいですが、後半になるにつれて、目新しいことがなくなり、いつも同じような内容になってしまったり、なかなか書き上がるのに時間がかかる…
というケースが多いようです。
私が学生のときは果たしてどうだったか…
実は、全く勉強に自信がなかった私ですが、実習はけっこう好きでした。
基本的には実習中でも0時に寝ていたし、レポートもそこまでズタボロに怒られた記憶がないので、スムーズにやれていたのだと思う…思いたい(笑)
当時私がやっていたことと、ライターをやっている今だからこそわかること!
日々の学びをスムーズに書けるコツを一緒に考えてみたいと思います!
なぜ看護学生は日々の学びを書くのに時間がかかるのか
患者それぞれ個別のことなので、お手本がない!
私が病棟で働いていたとき。
受け持った学生は日々の学びについて、
いつも同じような内容になっちゃいます。
何を書いたらいいかわからないです。
と悩んでいた人が多かったです。
個人的にはとても人間性が現れる記録だと思っています。
その学生がどんな気持ちや姿勢で実習してるのかなぁ?って丸わかりですから。
ほかの看護過程の用紙は、参考書を見れば似たようなケースのものが載っているし、カスタムすれば、けっこう使いまわしができます。
(本当は自分で考えてほしいところなので、おすすめはできませんが笑)
でも、日々の学びって、患者さんとの関わりのことなので、お手本になるような参考書はあまりないですよね。
なので、ほとんどが自分の言葉で書かなくてはいけないもの…!
途端に自分の言葉にすると書けなくなってしまう、感想文や日記のようになってしまう人が多いのではないかと思っています。
記録を書く準備をしていない、一から記録を書こうとしている!
もう一つうまく書けない理由…
みなさんのなかで、その日の実習が終わって、いざレポートを書くとき
え~と今日はまず何やったかな…
と朝の出来事から一つ一つ思い出す人いませんか?
それって、かなり効率悪いですよ…!!!
看護師として働きだしてからも、そういう人は記録が遅くて残業が多くなってしまう気がします。
指導者さんからアドバイスを受けたり、患者さんから話を聞いたりして頭の中でぐちゃぐちゃになっていることを、全部一から思い出して紐解かなくてはなりません。
それじゃあ、日々の学びを書くのに何時間もかかっちゃいます。
せっかくいい関わりができていたとしても、とても残念なレポートになってしまう可能性大です。
日々の学びに書く内容とは
ポイントを考える前に、日々の学びについて一旦確認しておきましょう。
用紙の名称や項目は学校によって多少違いがありますが、
- 今日の行動目標、計画
- その日あったこと、自分が行ったこと
- 振り返り 、学び
などが一般的でしょうか。
これは毎日書く用紙になります。
基礎や成人、老年、小児…領域によって形式が変わることがありますが、「その日あったこと、振り返り」は共通の内容ではないでしょうか。
「日々の学び」というタイトルがついていると、学んだことを書かなくては…と思うかもしれませんが、そこだけに縛られる必要はないと思っています。
実例として構成を考えてみた
日々の学びを書くときに、まずは行動目標や計画に沿って、「あったこと、自分が行ったこと」を書きます。
注意しなければいけないのは、ただ羅列するのではなく、なぜそれを行ったか理由を付け加えることで、最初の文章の流れができます。
そして、その行動によって患者さんがどのような反応だったか、そこから何が考えられるか?効果はどうだったのか?を振り返ります。
たとえば、行動目標が「安全・安楽に関すること」、看護計画のケア項目にある「ポジショニング」に関することを行動計画にあげていた場合。
NG例文とOK例文を比べてみましょう。
※あくまで参考程度で読んでください。教科書レベルのお手本ではありませんので。
NG例文
「人工骨頭置換術後1日目。患者さんの背中にクッションを差し込んだり、少し身体の向きを変えたりして、ポジショニングを行いました。患者さんも楽になったようなので、とても良かったです。」
➡︎すごい極端ですが、こうしたレポートを提出してくる人はちらほらいます。基礎実習だとまずこんな感じでしょうね。
これだと自分がやったことの羅列、感想文という感じです。
OK例文
「人工骨頭置換術後1日目。術後の安静度による外転枕の固定で、患者さん自身では身動きが取れない状況でした。さらに、創部痛だけではなく「腰が痛い」という訴えもありました。長時間臀部が圧迫されることで褥瘡のリスクもあり、創部周囲や外転枕は動かさないように気を付けながら除圧。また、安楽な姿勢を保つため、担当看護師と共に背中にクッションを差し込み、半側臥位へのポジショニングを1~2時間ごとに行いました。」
➡︎なぜポジショニングをしたか、理由と何に気を付けて行ったか(看護計画にあること)の内容です。
ポジショニングの方法などは、もっと具体的に書いてもいいかもしれません。
「患者さんからは、「ずっと寝たままだとお尻が痛くなるね。でも、少し体の向きを変えてもらって楽になったよ」との言葉。表情も笑みがこぼれていました。ポジショニングを行ったことで、長時間圧迫されていた臀部の負荷がとれ、ベッド上安静による苦痛症状は患者さんの言葉からも緩和されたと考えます。」
➡︎次に患者さんの反応や状況はどうなったか。患者さんの反応は言葉や表情などで書くとわかりやすいです。
- ×苦痛を感じていた
- ○眉間にしわを寄せて、唸り声をあげていた
苦痛かどうかは本人でないとわからないので、見たままの状態を書いて、振り返りで効果があったのかを考察します。
(よくO情報で間違える人もいますね)
会話文は経過用紙みたいなものに書くパターンもあるかもです。
「術後患者の安楽といわれると、創部痛ばかりに目が行ってしまいましたが、ベッド上安静に伴うさまざまな苦痛に関しても、目を向けていかなければと思いました。明日からは創部痛の観察だけではなく、全身の苦痛がないかどうかも積極的に観察していき、安楽なポジションが維持できるよう努めます。」
➡︎振り返りの考察から、今後どうしていくかを検討。
この反省部分は明日以降の行動目標に反映されていきます。
どうやって観察していくか、どうやってポジショニング維持していくか?など。
そして、最後に看護計画を修正、追加。
患者さんの反応が悪かった場合、指導者からアドバイスをもらった場合にも、きちんと記録に残します。
このように日々の学びできちんと振り返りできていないと、翌日の行動目標に繋がらないです。
日々の学びって意外と書く内容が多いことがわかりますね!
まとめている私も大変…(笑)
私が日々の学びを書くときに活用していたものはメモ帳!
私がレポート書くのが早かった理由を考えてみたのですが、まずメモ帳の活用が大きいと思います。
みなさんは、メモ帳って普段どのように使っていますか?
患者さんのバイタルの測定値、報告内容…指導者から注意を受けた内容…。
それも間違いではありません。
しかし、私は日々の学びに書くこと(行動計画や振り返るべきポイント)を、あらかじめ見出しのようにメモしていました。
たとえば、先ほどのように行動目標が「安全・安楽に関すること」、看護計画のケア項目にある「ポジショニング」に関することを行動計画にあげていた場合。
- なぜ行うかの理由
- 患者さんの状態
- 何に注意して行ったか
- 実際に行ったときの状況
- 患者さんの反応
- 指導者からのアドバイス
- 効果はどうだったか?反省点
などを見出しにしておいて、ケア中も頭で考えながら関わります。
患者さんのケアが終わり、退室した際などにちょこちょこ書き留めておくと、あとでまとめるのが便利です。
私はちょっとズルかったので、メモ帳ではなく直接日々の学びに書き込んでいましたが…(たぶん真似しちゃダメ笑)
↓私の愛用メモ帳はロルバーン。
リングメモ帳がダメなところは注意してね!
メモをまとめておけば、あとは書き写すだけ!
自宅に帰ってからは、そのメモを見て、より具体的に書くようにすればスムーズに日々の学びが書けるというわけです!
私は20分くらいで書き終えていたんじゃないかと…。
日々の学びがはやく書ければ、看護計画や評価、事前学習などに時間が割けますし、ほかの項目に関してもある程度、頭で整理された状態なのでスムーズに書けると思います!
おまけ:行動目標が立てられない人へ!
毎日の行動目標は前日の振り返りを付け加えればいいので、比較的簡単だと思うのですが、それでもうまく考えられない!という人も…。
みなさん、実習要綱など配られたもの、どこかに放置してませんか?
実はそこに実習の目標が細かく書いてあります。
最終的に実習の合否を評価するのは、その目標が達成できているかなので、きちんとその目標に沿っているかを確認しましょう…!
そして、うまく言葉をもらうのです(笑)
一言一句同じだとさすがに怒られるので、その目標を患者さんの特徴に合わせてカスタマイズします。
ただ、実習グループ内で誰かしらかぶる可能性大なので、この方法については毎回はおすすめしません。
どうしても思い浮かばないときに使うくらいがいいと思います(笑)
日々の学びをスムーズに書くためには準備が必要
なかなか日々の学びをうまく書けないと悩んでいる人。
それだけで実習が億劫になってしまったら、とてももったいないです。
学生に話を聞くととてもいい関わりができているのに、それが文章として書けないこともとても残念に思います。
うまい文章を書けとは思いませんが、これだけは実践してみてほしいです。
- 記録を書く準備をすること
- 日々の学びに書くべき構成を頭に入れる
- その構成をメモ帳に書き、うまく活用する
日々なんとなくやっていることを文字に起こし、同時に看護の楽しさを感じでもらえると嬉しいです!
私はライターの端くれとして働きながら、少しでも学生が楽しく実習に向かえるのを願っています!
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